”根付”とは、江戸時代に大流行した、印籠や煙草入れの端につけるミニ彫刻のことです。かつては、お伊勢参りの人気みやげの一つだったので、伊勢は今なお、全国でも根付師(根付を彫る職人)の多いところとして知られています。館長の中川忠峰さんは、伊勢根付に魅せられて40年という熟練の根付師。伊勢市の西郊にある工房(伊勢根付彫刻館)には、中川さんの作品約80点が並んでいます。また”木の宝石”と呼ばれるツゲの中でも、特に粘りと堅さのある伊勢独特の「朝熊ツゲ」を使って、干支や七福神などの精緻な模様を彫り込んだり、きめ細やかに磨きあげたりする作業など、根付が完成するまでの様子が見学できます。