古くより、伊勢神宮参拝は、外宮を参拝してから内宮を参拝するのが習わしでした。今は御木本道路、御幸道路と整備された道がありますが、それ以前は外宮から内宮へ向かう道は、小田の橋から牛谷坂までの小高い丘陵沿いの「伊勢古市参宮街道(間の山)」が、唯一の道でした。この街道筋は5大遊郭の一つとも言われ、伊勢参りをする人々で賑わい、芝居なども盛んで文化の中心地でした。しかし大火や空襲により当時の面影はほとんど残っておらず、現在では、麻吉旅館が面影を残しているのみとなっています。麻吉旅館は、かつて全国からの参宮客を迎え入れた古市の繁栄を現在に伝える貴重な建物として、平成17年2月に国の登録有形文化財(建造物)に登録されています。街道中程に、当時の様子を伺うことが出来る伊勢古市参宮街道資料館があります。