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江戸時代の参拝ルート 昔ながらのお伊勢参り

江戸時代、一世を風靡した「お伊勢参り」
当時のお伊勢まいり参拝ルートは、二見浦で禊をして身を清め、外宮と内宮を参拝し、最後に朝熊岳に登るというものでした。

今回は、古来の参拝ルートを現代に照らしあわせてご紹介します。

江戸時代のお伊勢参り

せっかく旅に出るのだからと、京都や奈良など他の観光地をめぐって帰る人も多かったそうです。当時は基本的に歩きの旅なので、長い人は3か月ほど旅していたという話もあります。

旅にはお金がかかるので、庶民は「伊勢講」という組織を組んでお金を積立て、毎年代表者を参拝に送りだし、代表者は講の参加者の分のお祓いも受けて帰るというシステムがありました。

そのような旅のシステムをフォローしていたのが、伊勢の御師(おんし)。全国に出向いて担当する講にお札や暦をくばって初穂料を受け取り、その講がお伊勢参りに来た際は、自分の家で盛大にもてなし神楽をあげました。

お伊勢参りが人気になると、奉公人などが突然思い立って抜け出しても、伊勢参りにいくことだけは「抜け参り」として許されるということも頻繁に。

そのようなお金を持たない旅人に施業(物を施し与えること)することは徳を積むという事であり、道中の施業も盛んにおこなわれていて、旅がしやすい時代だったのでしょう。
とても寛容ですね。

古来の参拝ルート

二見 → 伊勢神宮外宮(豊受大神宮)→伊勢神宮内宮(皇大神宮)→朝熊岳

まずは、伊勢の海が美しい二見へ

夫婦岩

二見は、しめ縄で結ばれた大小2つの岩からなる夫婦岩や二見興玉神社がある人気のエリアです。

二見浦海岸

昔は汐水を浴びて禊をしましたが、現代は二見興玉神社に参拝することで禊(浜参宮)としています。

二見興玉神社

二見興玉神社

ご祭神は、猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)です。
二見興玉神社にて、興玉神石の周りより採取された御霊草無垢塩草(ごれいそうむくしおくさ)にて「無垢塩祓い」を受けることもできます。お祓いをしていただくと、さらにお参りに向けた気持ちが高まるかもしれませんね。

次は伊勢神宮・外宮(豊受大神宮)へ

ご祭神は食と産業の神様・豊受大御神(とようけのおおみかみ)です。

伊勢神宮・外宮(豊受大神宮)
風宮

御正宮を参拝した後はぜひ別宮の多賀宮・土宮・風宮にも参拝を。
域内には所管社もありますので、時間があればじっくり参拝してみてください。

~古市街道を通って、外宮から内宮へ向かいます~

古市街道

古市街道

外宮から内宮へ向かう道は、現在は御幸道路・御木本道路という広い道路が整備されていますが、江戸時代は「古市街道」しかルートがなく、当時の人々は古市街道を通って内宮へ向かいました。

そこは尾根伝いの道で「間の山(あいのやま)」とも呼ばれており、江戸時代の5大歓楽街の一つであるとともに、古市歌舞伎や伊勢音頭などの文化の発信拠点でもありました。

麻吉旅館

麻吉旅館

当時の面影を残すのは、当時お茶屋であった「麻吉旅館」のみですが、碑文等が当時の繁栄をひっそりと伝えています。

そして伊勢神宮・内宮(皇大神宮)へ

ご祭神は国民の総氏神とされる天照大御神(あまてらすおおみかみ)です。

伊勢神宮・内宮(皇大神宮)

御正宮を参拝した後は、ぜひ別宮の荒祭宮・風日祈宮にも参拝を。
伊勢神宮・内宮(皇大神宮)は、伊勢神宮・外宮(豊受大神宮)に比べると域内にたくさん所管社がありますので、時間があればじっくり参拝してみてください。

宇治橋鳥居

最後に朝熊岳金剛證寺へ

伊勢神宮の鬼門を守ると言われるお寺です。
本堂は国指定有形文化財。御本尊は日本三大虚空蔵菩薩の一つ。

金剛證寺
奥之院へ続く道

本堂を参拝した後は奥之院へ。伊勢地方には、奥之院に角材でできた卒塔婆を建て故人を供養する「岳参り」という風習があります。

奥之院卒塔婆

奥之院に続く道の両側には、高さ2~8メートルの卒塔婆が延々と建立されており、全国でも類を見ない光景となっています。

手水の作法

手水舎(てみずや、ちょうずや)は「心身を清める禊(みそぎ)の場」の意味があり、手と口を洗うのは禊の儀式を簡略化したものです。

1.まず柄杓を右手で持ち、左手を洗い清めます。
2.柄杓を左手に持ち替え、右手を洗い清めます。
3.再度柄杓を右手に持ち、左手で水を蓄え口をすすぎます。
4.左手をあらためて洗い清めます。
5.最後に残った水で柄杓の柄を清め、元の位置に戻します。

参拝の作法

一般的に二拝二拍手一拝が神社の参拝作法です。

1.神様の前で姿勢を正します。
2.背中が平らになる「拝」という深いお辞儀をします。
3.胸の高さで手を合わせた後、右手指先を少し下にずらします。
4.肩幅ほど手を広げて、2回「柏手」を打ちます。
5.指先の位置を元に戻し「感謝の心」でもう一度深いお辞儀をします。

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